懐屋敏悟の徒然日記

懐かしいに触れたり訪ねたり…温故知新の世界へ

初めまして…春から半年が過ぎました。

10月1日

私がこの下町にお世話になって半年以上になります。


芭蕉通りの弁当屋


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下町のお店を、5月に個人オーナーから法人で引き継ぎました。

私も、4月から15年続けて来たキャリアカウンセラーの仕事から転職を決意し、5月から店長として頑張っています。

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私自身も食べる事は大好きで、今は亡き大正生まれの祖母が作ってくれた雪花菜や金平牛蒡、ムツの煮付けなどの家庭料理で育ちました。また、母が作ってくれたハンバーグやスパゲティなどの洋食も好きです。


さて、今の仕事について書きます。

お客様は、65歳以上のご高齢の方が大半です。中には太平洋戦争を経験され、兵隊さんとしてご苦労されたご記憶、下町で東京大空襲の生々しいご記憶を話して下さる方々もおられます。大正や昭和一桁生まれの方が元気でおられ、元気を支えるお食事をお届けし、少しでもお役に立つことが出来、本当に嬉しくなります。12年前に旅立った私の祖母も同世代です。お客様という関係ではあるものの、どことなく懐かしい気持ちになり、時折目頭が熱くなります。

会話の呼吸、自分の気持ちを表現する時に選ぶ言葉、今はすっかり使われなくなった豊かな言葉に触れる事が出来、私がそのお客様から幸せや元気のお裾分けを頂いております。

しかし、あくまでもお弁当屋という商売です。儲けが無ければ続きません。霞を食って生きてはいけない現実と直面し、会社の判断で11月30日をもって閉店ということになってしまいました。当たり前ですが、最後まで気を抜かず立つ鳥跡を濁さずでやり切る事を決め、残された日を一日一日大切に過ごしています。この仕事に就いた時から、副店長をはじめ、スタッフに伝えていた大事な言葉があります。

『日々の積み重ね』

千葉で自給自足米を作っていた時に、茨城の農家さんから教わった言葉です。特に、閉店を控えた今、改めてこの言葉を噛み締めながら毎日を過ごしています。